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投資・資産運用について ~投資はコワイ、でも何もしないともっとコワイ~

まず、言葉の意味についてですが、投資・資産運用とは保有している資産(現預金・株・不動産など)を管理運用して資産を増やし、利益を得ることをここでは言います。(常に資産が増え、利益が出る場合ばかりではありませんが)

現金で持っている場合には運用しているとは言えませんが、例え金利が低くても普通預金に入れておくのも運用の一種と言えます。

次に資産運用をする理由は何でしょうか。

かつての日本では資産運用はリスクが高く、あまり一般的なものではありませんでした。

ただし現在では事情が一変していますから、資産運用も一般的でありかつ必要なものへと変わってきています。

では、かつての日本と現在の日本ではどの様に状況が変わったのでしょうか。

①預金金利が下がった。

かつては金利が高く特別な投資運用をしなくても銀行・郵便局に定期預金として預けておくだけで、残高が自然と増えていきました。

現在では、超低金利時代ですから100万円を定期預金にしても1年で数十円くらいしか増えません。これでは実質的には運用とは言えないレベルとなっています。

②将来受給できる年金額が低下している。

ご存知のように今後日本の人口は確実に減っていきます。年金は現在受給している人の年金を現在働いている人が負担している仕組みになっていますから、働く人が減ると年金を受給できる金額も減るのは当然です。

③退職金が減っている。

長年働いて定年で退職する際に受け取る退職金が確実に減ってきています。

以前であれば、退職金を取り崩して人生の最期までの生活資金とする考え方で良かったのですが、今後はそれでは寿命よりお金が先になくなることになりそうです。

④平均寿命が延びた。

寿命が延びるのはいいことなのですが、当然生きていれば生活費がかかりますから、働く以外で資金を得ることの必要性が増してきます。

現時点で60歳の方の平均余命は男性25年、女性30年です。

健康で長生きするにもお金は必要ですからね。

これら、①~④などの事情により自分で働く=労働、以外の収入=運用の必要性が高まっています。

何もしなくても老後は年金・退職金・預金の取り崩しで十分生活ができた時代から、今後はそれだけでは相当に厳しい経済環境に移っていきます。何もしないと、寿命よりお金が先になくなります。

ただし、あくまでも自分の労働で得る所得が重要なことに変わりはありませんから、その労働に支障を及ぼすような資産運用はしないでおくべきです。

とすると、1番手間暇がかからないのは源泉分離課税で確定申告不要の金融資産運用になります。

株式・投資信託などを特定口座で運用すれば税金は20%天引きされて完結ですから。

不動産やFXなどもありますが、上記の理由でまず初めには金融資産運用をお勧めします。


法人契約の生命保険~以前よりお得度は下がりましたが、メリットはあります~
税金

法人契約の生命保険~以前よりお得度は下がりましたが、メリットはあります~

法人で生命保険を契約するということが以前はしばしば行われてきました。
これは、法人契約なら法人の経費になりそれは節税に結び付くという理由からです。
個人で生命保険を支払うと生命保険料控除という税金計算上での控除を受けることができますが、この控除は保険料の上限が低く設定されており、大きな節税効果は望めない仕組みになっています。
その点、法人契約なら上限がないので個人契約と法人契約で節税効果に大きな違いがありました。
しかし2019年に法人契約の生命保険に関する改正があり、節税メリットが大幅に縮小されました。
ただ、現在でも法人で生命保険を契約するメリットは残っており、これを使わない手はありません。
以下に法人契約でメリットのある生命保険を紹介します。

1)医療保険
コロナ禍で契約数が伸びましたが、2022年中に保険金が払われる条件の変更があり、当初の目論見と違ったと思われた方もおられるかもしれません。
現時点で、この保険を法人で契約するメリットは法人契約なら100%経費に算入できる上に、短期間で払い込みを完了して(5~10年程度)、その後に個人に契約を変更しても課税されないということです。
結果として保険料は全額経費になり、受け取る保険金は個人では非課税となります。
法人の利益が出ている間に保険料を全て支払っておき、その後は個人の保険として受け取るだけにしておけば安心ということです。
特に医療保険は高齢、つまり会社を退職してからの年齢こそ本格的に必要になるものですし、退職してから法人で契約を続けるのは税法的に無理があります。
このように医療保険については、個人契約するメリットがほぼありません。
(※ただし受け取り保険金が一時所得となる場合は個人課税上でメリットがあります。)
法人で事業を経営されておられる方は、是非ご検討ください。

2)定期保険
定期保険は2019年の改正で節税効果が減少しましたが、今でも法人契約のメリットはあります。
解約時返金率85%で経費率40%という契約が一番お勧めです。
100万円の保険料を支払った場合では、解約金は85万円です。
支払い期間中には40万円が経費になり、約9万円~12万円の節税効果が見込まれます。
実質3~6万円の負担で、満期期間までの保証を買うことができます。

3)年間支払い保険料1人30万円以下で解約返戻率が70%以下の定期保険、医療保険、がん保険など。
これらの保険は2019年改正の特例で、全額経費になります。
金額的に少額と感じますが、加入人数が多くなれば経費=節税額も大きくなります。

これらを踏まえると法人契約できるものはその契約をして、ドル建て生命保険など資産運用目的のものや一時所得となるものは個人契約するなどの使い分けが大切ということになります。


税金

節税と納税資金

相続税の節税と納税資金対策について説明します。詳しくはこちらをご覧下さい。

①相続税対策の必要性

②相続税の仕組みから考える対策

③生前に行っておくべき対策

④相続開始後に行う対策

⑤納税資金確保のための実践方法


税金

~個人でできる色々なお得な制度~

前回に引き続き個人の税金が節税できる制度です、ご検討ください。【2回連載第2回目】
個人所得税や住民税が節税できる仕組みを案内します。新しい年から始められると効果が高いですね。

【3】【iDeCo】イデコ (個人型確定拠出年金)
1) 特徴
① 自分で積み立てる「年金」あるいは「退職金」のようなものです。
② 毎月一定額を積み立てます。(口座引き落とし)
③ 自分で選択する資産運用の形で積み立てます。(株式や投資信託、定期預金などから選択します。)
④ 資産運用なので、将来いくら受け取ることができるかは未確定です。
⑤ 将来受け取り金額のリスクを低くするなら、運用先を定期預金とする方法もあります。
⑥ 積み立てた金額は全額所得控除の対象となります。
⑦ 運用益は非課税です。
⑧ 原則として60歳まで解約できません。
⑨ 手数料がかかります。
⑩ 毎月の掛金上限は本人が厚生年金加入か、会社で別途年金制度に加入しているかなどで変わります。

2) 手続き
① 契約する金融機関を探す。
銀行、証券会社や生命保険会社などがiDeCoの申し込みを受付けています。
② 運用する商品を選びます。
外国の株式や債券に投資することもできます。一般的にハイリスク・ハイリターンです。
国内の定期預金に投資することもできます。一般的にローリスク・ローリターンです。
③ 毎月の掛け金を決めます。
④ 契約(申し込み)をします。オンラインでもできます。

3) うえだ事務所がお勧めする理由
① 全額所得控除は大変有利
掛金が全額所得控除できるということは所得税の最低税率が5%、住民税が10%ですから、その税だけ税金
が減額されるということです。この金額を運用の結果と考えると15%以上の利回りと言うことになります。
② 運用は簡単
最初に運用商品を決めると後は自動的に口座引き落としで支払い運用されるので、
手間暇はほとんどかかりません。(もちろん、運用商品や金融機関を変更することはできます。)

【4】【NISA/積立NISA】(少額投資非課税制度)
NISA、積立NISAとは「少額投資非課税制度」のことです。
通常であれば、株式や投資信託に投資して得た利益には所得税15%と住民税5%、合計20%の税金が
天引きされます。
NISA、積立NISAであれば、この20%の税金が非課税となります。
非課税限度額が間の運用上限があり、NISAは120万円、積立NISAは40万円です。
2024年から大きく非課税限度額が拡充され、NISA1200万円、積立NISA600万円となります。


税金

消費税、非課税取引

●質問

消費税のかからない取引について教えて下さい。【その2】

 

●回答

消費税のかからない取引には、免税取引・課税対象外取引・非課税取引の3種類があります。

今回は、このうち非課税取引について説明いたします。

 

●解説

『非課税取引とは』

非課税取引とは本来は課税すべきであるけれど、社会的配慮から消費税はかけないことにしましょう、として決められたものです。

今回、新たに定められた軽減税率も、これと考え方は同じで、理屈では消費税を課税すべきだが、食料品などは生活に絶対に必要なものなので、税金を“安く”した方が国民が納得しやすいだろうという事で、10%に税率が上がる中で8%の据え置き税率となりました。

以下が非課税取引の一覧です。

限定列挙になっていますので、これ以外に非課税取引はありません。

① 土地や借地権などの譲渡や貸付け

② 有価証券や金銭債権などの譲渡

③ 貸付金の利子や保険料など

④ 郵便切手類、印紙、商品券などの譲渡

⑤ 行政手数料や外国為替取引など

⑥ 社会保険診療の対象となる医療(自由診療は課税されます)など

⑦ 介護保険法の規定に基づく居宅サービスや一定の社会福祉事業など

⑧ 助産に関する費用

⑨ 埋葬料、火葬料

⑩ 身体障害者用物品(義肢や車椅子など)の譲渡や貸付けなど

⑪ 一定の学校の入学金や授業料など

⑫ 教科用図書の譲渡

⑬ 住宅の貸付け

 

3種類の消費税がかからない取引のうち、課税対象外取引は消費税という税金の計算の仕組みに上では全く無視されています。

納税も、還付も可能性はありません。

免税取引は、たまたま税率が0%だと考えていただければわかりやすいと思います。

たまたま0%なだけですから、消費税の計算では普通に計算します。

計算の結果が0円なだけです。

非課税取引とは、何かと言いますと文字通り消費税は課税されませんが、消費税額を計算する際には、きちんと区別しないといけない存在です。

モノの値段に消費税が含まれているか否か、が不明なら消費税の金額も不明ですからね。

そういう意味で、非課税取引の区分は明確に判定することが必要になっています。


税金

消費税、免税・課税対象外取引

●質問

消費税のかからない取引について教えて下さい。

 

●回答

消費税のかからない取引には、免税取引・課税対象外取引・非課税取引の3種類があります。

今回は、このうち免税取引と課税対象外取引について説明いたします。

 

●解説

免税取引、課税対象外取引は共に消費税はかかりませんが、内容はかなり異なる仕組みになっています。

以下に、それぞれに分けて説明いたします。

 

免税取引

これは、消費税は実は課税されているのですが、税率を0%で計算するので、税額は0円になるという取引です。

なぜ0%という税率というものがあるかと言いますと、主に海外取引に関する場合に不利にならないようにするためです。

また別に輸出入に関する消費税の取り扱いについては説明しますが、今回は輸出に関するものは、そのようになっていると覚えておいてください。

次のような取引が、免税取引として0%の消費税で計算する、と決められています。

①国内からの輸出として行われる資産の譲渡又は貸付け

②国内と国外との間の通信又は郵便若しくは信書便

③外国貨物の運送や保管など

④非居住者に対する営業権などの譲渡又は貸付け

⑤以下のイ~ハを除く非居住者に対する役務の提供

イ 国内に所在する資産に係る運送又は保管

ロ 国内における飲食又は宿泊

ハ イ又はロに準ずるもので国内において直接便益を享受するもの

⑥その他一定の取引

 

★課税対象外取引

消費税は輸入に関する取引を例外として、事業者が事業として行う取引に関してのみ、課税するというルールがあります。

ですので、以下のような事業として以外の取引には消費税は課税しません。

①贈与や相続など。

②給与やボーナスなど

③宝くじや競馬などの当選金

免税取引と課税対象外取引について説明しましたが、以上のように、その内容は相当違います。

また、別に非課税取引という制度もありますが、それは別項目で説明いたします。


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消費税の納税義務

●質問

売上が小さい会社は、消費税が免除されると聞きましたが、本当でしょうか。

 

●回答

<原則として、二期前の売上が1千万円以下は免除>

原則として、二期前の消費税がかかる売上が1千万円以下であれば、消費税は免除されます。

ただし、近年の税制改正で判定が相当難しくなっていますので、注意が必要です。

 

●解説

消費税の納税義務は、基準期間の課税売上高が1千万円以下であれば、原則として免除されます。基準期間とは、1年決算法人の場合、原則として二期前の事業年度をいいます。

 

◆基準期間の課税売上高と消費税の納税義務

ここでいう課税売上高とは、課税取引に係る売上高に、輸出取引などの免税取引の売上高を加算した金額を言います。免税取引も消費税がゼロ円かかる、とされていますので、その売上高も影響することになります。

ところで、近年の税制改正により、基準期間の課税売上高が1千万円以下であっても、それだけでは消費税が免除されることにはならず、前期上半期6月間の課税売上高等についても検討する必要が生じました。具体的には、前期の上半期の課税売上高及び前期の上半期の給与支給額の両方が1千万円超になる場合には、基準期間の課税売上高が1千万円以下でも消費税は免除されないとされています。

 

◆消費税の納税義務判断

(※)国税庁「消費税のあらまし(平成30年6月)」を基に作成


税金

消費税の申告期限

●質問

消費税は消費者は納税せず、代わって事業者が申告納税するということですが、期限や具体的な手続きについて教えてください。

 

●回答

 <決算日から二月以内の申告納税と中間申告>

消費税は、法人の場合、法人税と同様、原則として決算日から二か月以内に申告納税する必要があります。
その他、前期の消費税額に応じて、複数回の中間申告を行う必要があります。

 

●解説

消費税は法人の場合、原則として決算日から二か月以内に、その事業年度の消費税額を税務署に申告納税することとされています。このため、確定申告期限は原則として法人税と同様であり、法人税と消費税を併せて申告納税することが通例です。

ただし、注意しなければならない制度があります。それは、法人税の「確定申告期限の延長特例」と言われる特例です。この特例の適用を受けている場合には、法人税の確定申告期限が一月延長されて三か月以内とされますが、消費税にこのような制度はありません。このため、法人税について「確定申告期限の延長特例」の適用を受けている場合にも、消費税は通常通り、決算日から二か月以内に申告納税を行う必要があります。

その他、消費税は前期の消費税額に応じて、原則として次の区分に応じて中間申告を行う義務があります。

 

◆消費税の中間申告の区分

(※1)前期が一年未満の場合には、一年に換算した金額で判断します。地方消費税を含む金額です。
(※2)所定の届出を行うことで、中間申告ができる、という制度があります。
(※3)最初の一月分は、その事業年度開始日から2月を経過した日から2月以内が期限となります。その他は、中間申告の対象となる課税期間の末日の翌日から2月以内が期限です。
(※4)前期の消費税をベースにする計算に代えて、その中間申告の対象となる課税期間の実績を基に計算する方法も認められています。


税金

消費税がかからない場合とは?

●質問

病院で治療を受けましたが、その際受けた領収書には消費税が書かれていませんでした。治療も役務の提供ですから、消費税の課税対象となる国内取引に該当すると思いますが、問題はないのでしょうか。

 

●回答

<非課税取引と免税取引>

本来は消費税の課税対象となる取引でも、消費税がかからない取引として、非課税取引と免税取引が定められています。

 

●解説

消費税の課税対象となる取引であっても、敢えて消費税をかけないとされている取引があります。非課税取引と言われるものです。

非課税取引とは、社会政策的な配慮などから消費税を課税すべきでないとされたもので、以下のようなものが挙げられます。

 

◆非課税取引の具体例

その一方で、免税取引という、消費税がゼロ円課税される取引があります。具体例としては、以下の(図6)のようなものが挙げられます。

 

(図6)免税取引の具体例

輸出業者の消費税は優遇されている、という話を耳にされた方も多いと思いますが、その話はこの免税取引にあります。免税取引も非課税取引も消費税がかからない、という点は同じですが、免税取引に対しては、原則として前段階の業者に支払った消費税の還付が認められる、というメリットがあります。一方で、非課税取引に対しては、消費税の還付が原則として認められません。

ところで、消費税は皆様が行う取引を、課税対象となる取引のうち非課税取引や免税取引以外のいわゆる「課税取引」、「非課税取引」、「免税取引」、そして課税対象とならない取引に、正確に区分することが重要になります。これらの区分ができなければ計算もできません。


税金

消費税の課税取引とは?

●質問

消費税がかかる取引とかからない取引があると聞きましたが、その区分について教えてください。

 

●回答

<一定の国内取引と輸入取引が対象>

消費税は取引に対して広く課税されますが、すべての取引に課税されるわけではありません。消費税の課税対象となる取引は、一定の国内取引と、輸入取引です。

国内取引については、①国内において、②事業者が、③対価性のある、④資産の譲渡・資産の貸付け・役務の提供を行う場合に消費税が課税されるとされています。

輸入取引については、保税地域から外国貨物を引き取る際、税関に消費税を納税する必要があります。

 

●解説

商品やサービスを購入すると課税される消費税ですが、あらゆる取引に対して消費税が課税されるわけではありません。消費税の課税対象となる取引は、所定の要件を満たす国内取引と、輸入取引です。

消費税の課税対象となる国内取引は、次の4要件を満たす取引をいいます。

 

◆消費税の課税対象となる国内取引の4要件国内において行う取引であること

消費税は日本の税金ですので、外国で行う取引に対しては、(日本の)消費税は課税されません。取引を国内において行ったか否か、という点に関しては、原則として次の場所が国内か否かで判断することになっています。

 

◆国内において行ったか否かの判断

※近年では、インターネットを介した取引が通常のこととなり、世界を相手にした取引が日本に居ながらにしてパソコンで簡単に行うことができます。

このような取引の場合には、それが国内か国外かの判定は大変難しいことになります。

消費税法もこの問題には完全に対応しきれているとは言えません。

今後も取引形態はどんどん変わっていくでしょうから、それにつれて税法にも変更が行われるはずです。

 

②事業者が事業として行う取引であること

サラリーマンが車を下取りに出した場合などには、消費税はかかりません。サラリーマンは事業者ではないからです。事業者が事業として行う取引でなければ、消費税の課税対象にはなりません。

事業者とは、個人事業者と営利法人をいいます。営利法人については、全ての取引が「事業として行う取引」となりますが、個人事業者の場合には、事業者の立場で行う取引が「事業として行う取引」となります。このため、家庭用の掃除機を個人事業者が売却しても、それは事業者の立場で行うものではありませんので、消費税の課税対象にはなりません。

なお、個人事業者の消費税は法人の消費税と多少異なる部分がありますので、今回は法人の消費税を前提に解説しております。

 

③対価性がある取引であること

対価性とは、何らかの見返りがある、ということを意味します。商品を販売すれば、その見返りに代金をもらいますので、この場合には対価性があります。

対価は「お金」とは限りません。本当の「タダ」は対価性なしですが、物々交換や0円でモノを引き渡す代わりに、サービスを0円で受ける、のような場合は対価性ありと判断されます。

一方で、国から補助金をもらう場合には、もらった補助金に対して何か見返りを支払うことはありません。このため、この場合には対価性がありません。

消費税の課税対象となるのは、対価性がある取引に限られますので、補助金や寄附金などは消費税の課税対象にはなりません。

 

◆対価性のない取引の具体例

④資産の譲渡・資産の貸付け・役務の提供であること

資産の譲渡・貸付けとは、資産の売買・貸付や交換などをいい、役務の提供とは、請負などのサービスの提供を意味します。消費税の課税対象となる取引は、これら3つの取引のいずれかに限定されます。

その他、輸入取引についても消費税の課税対象となる、とされていますが、ここでいう輸入取引とは、保税地域から外国貨物を引き取ることをいいます。

輸入する場合、税関に通関手続きを行ってから貨物を引き取りますが、この輸入手続きを行う所定の場所を保税地域といいます。加えて、そこから輸入手続きにより引き取る前の貨物が外国貨物となります。

輸入取引については、通関手続きを行う際、消費税を税関に納税する必要があります。

通常、旅行者がお土産を持ち帰っても、いわゆる保税地域に荷物を預けることはありませんから、税関を通る際に消費税を納付する必要はありません。