●質問
処遇改善加算について教えて下さい。
私はいわゆる放課後等デイサービスの事業を行っていますが、処遇改善加算は申請していません。
制度の内容が複雑で、色々としなければならないことが多く、手間がかかる上に受け取った加算金以上の金額を従業員に支払わなければならないそうですので、メリットがないように感じてしまいます。
それでも、処遇改善加算は申請した方が良いのでしょうか。
●回答
介護事業独自の制度として加算金の仕組みがあります。中でも処遇改善加算制度は高齢者・障碍者のどちらの事業でも受け取り金額も多くなりますから、必ず活用すべきです。
この加算金を受け取ることで事業を進めるにつきデメリットになることはないでしょう。
●解説
処遇改善加算はご存知のように、様々な加算制度の内でも金額が非常に多くなるものです。
ただし、金額が高くなるにつれクリアすべきハードルも高くなっていきますし、加算金を継続的に受け取るためには毎年の事務量も増えることになります。
そもそも人出が足りないのに、その上介護現場でなく事務仕事は増やしたくないのは、どこの事業所でも同じです。
手間をかけたくなくて、他の事業所の真似をしても、自分の事業所とスタイルが全く同じということは有り得ませんから、結局はつじつまが合わずに失敗してしまいます。
処遇改善加算制度は就業規則や人事評価制度と密接に結びついていますから、処遇改善加算に詳しい社会保険労務士に依頼することも1つの方法です。
詳しい社会保険労務士であれば、加算金を受け取りかつ経営上でも有効な方法を知っている事と思われます。
例えば、受け取った加算金を必ずしも全額従業員に支給しなければならないわけではなく、支給した加算金に応じて増えた社会保険料に相当する金額部分は、従業員に支給する必要はありません。
また、支給対象者についても平均的に、あるいは給与に比例して支給する必要はありません。
極端な例ですが誰かには100万円、誰かには0円でもきちんとした理由があればOKです。
この加算金の申請をして受け取らなければ従業員の昇給が難しくなり、結果として求人難=人手不足になります。
そのような事態を避けるためにも、是非とも処遇改善加算は申請できるようにして下さい。