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人事労務

自転車通勤と通勤災害

●質問

会社に無届で自転車通勤をしている従業員がいます。

事故があった場合は、やはり労災保険の通勤災害の対象外になりますか。

また、自転車通勤を禁止するつもりは特にありませんが、何か従業員に注意しておくことはありますか。

 

●回答

会社に無断であっても、一般的に見て合理的な方法・経路での通勤途上の事故であれば通勤災害の対象とされますが、合理的と認められる範囲については、従業員に周知しておくことが望ましいかと思います。

●解説

まず、通勤災害として認められ労災保険の給付が行なわれる主な4つの条件を確認します。

1.就業に関していること

2.業務上でないこと

3.合理的な経路と方法であること

4.住居と就業場所の往復であること

ご質問の自転車通勤が、上記の3に該当するかどうかという点が問題になりますが、通勤の方法は、公共交通機関、マイカー、徒歩など人によって様々です。

通勤災害として認められる条件は、会社に届け出ている経路・方法であることに限定されておらず、常識的な通勤途上であればよいことになります。

ただ、最近では健康やエコを目的にかなりの距離を自転車で通勤される人も増えているようです。

行政から具体的な通達が出されてはいませんが、あえて公共交通機関を使用せず何時間もかけて自転車通勤をしているようでは、合理的ではないと判断される可能性もありますので念のためご留意ください。

また、上記の4についても注意が必要です。

「住居と就業場所の往復であること」とのことですが、つまり「寄り道をしないこと」です。

しかし、通勤途上で子を保育園等に送迎したり、コンビニやスーパーで日用品を購入したり、他にも通院、食事、知人との会合、映画鑑賞やフィットネスクラブなど、業務時間外なのですから、これもまた人それぞれに寄り道をすることかと思います。

この寄り道の内容によっては、上記の3や4に該当しなくなり、通勤災害の対象外となることがあります。

自転車通勤をする従業員には、「不要な寄り道は極力避けること」「安全運転を心掛けること」を順守するようお伝えください。

最近では、比較的安価な民間保険会社の自転車保険も販売されていますから、検討材料の1つとしておくことも有り得るでしょう。