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横領・背任・詐欺の相違点

●質問

従業員が、取引先をだまし取引先から自分の口座に入金させていました。

この場合、詐欺でしょうか?

横領・背任・詐欺の違いを教えてください。

 

●回答

おそらく詐欺罪に該当するでしょう。解説をご確認ください。

●解説

3つの罪の違いをごく簡単に言えば、以下のとおりです。

①詐欺罪とは相手方を騙して相手方の錯誤に乗じて財物を交付させること。

②横領罪とは、自分が占有している他人の財物を自分の物にしたり処分したりすること。

③背任罪とは、他人(本人)の為に事務処理する者が自分や第三者の利益を図る目的や本人に損害を与える目的で、その任務に背く行為をし、本人に損害を与える行為をすること。

 

例えば、会社の預金口座を管理している者(経理部長など)が、そこから勝手に出金して自分の懐に入れたのであれば(業務上)横領罪です。

背任に当たる場合というのは、例えば、営業部長が会社の商品を正当な理由もないのに自分の身内に原価を下回る安値が販売したとか、銀行員が焦げ付くのが分かっているのに身内に無担保で貸付を行うとかが考えられます。

ご相談の件の場合、当該従業員は、取引先を騙して当該従業員の口座が正規の取引口座だと思わせてそこに代金を振り込ませた(交付させた)のですから詐欺罪になります。この場合、詐欺罪における被害者は取引先ということになりますが、実質的な被害者は貴社ですから告発は可能です。