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人事労務

就業規則と雇用契約書で内容が異なる場合

●質問

従業員から「就業規則の内容と雇用契約書の内容に違う点がある」との指摘がありました。

確認してみると、確かに雇用契約のほうが有利だったり就業規則のほうが有利だったりまちまちでした。

このような場合、どちらの内容を適用したらよいのでしょうか。

 

●回答

各事項について、労働者にとって有利な方が有効とされます。

●解説

まず、就業規則が有利となっている点について労働基準法の第93条に次のような規定があります。

「就業規則に定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。

この場合において無効となった部分は、就業規則で定める基準による。」

労働条件の有利さについて、就業規則の方が個別の労働契約より有利となっている場合には、その点については無効となり就業規則の基準になります。つまり就業規則が有利となっている点については、就業規則が有効です。

次に、個別の労働契約が有利となっている点について労働基準法には明確な規定はありませんが、判例等では、就業規則を基本的な労働条件として個別の労働契約が特約を定めているという解釈がなされます。

特約といっても就業規則を下回る特約は上記の通り無効化されますので上回る特約だけが有効です。

つまり、個別の労働契約が有利となっている点は、労働契約が有効となります。

ところで、就業規則や労働契約を従業員にとって不利に変更する際に従業員の同意が必要とされ、同意がない場合は無効とされます。

今回の従業員からのご指摘にあたって、労働条件等の見直しをされるのではないかと思いますが従業員との協議を経ず、一方的に変更されてしまうと労務トラブルに直結してしまいます。

労使お互いにどの様な認識を持っていたか、またどのような要望があるのか十分にお話し合いをされた上で、ご変更されることをお勧めします。

また今後、このような事にならないように就業規則や労働協約、雇用契約については、整合性に十分気を配ることが必要です。

1か所の変更が全体に及ぶこともありますので、専門家による検証も検討してみる価値があります。