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人事労務

二重の懲戒処分と一事不再理の原則

●質問

取引先に対して不始末を起こした従業員がいます。

懲戒処分として出勤停止の上、減給処分を行う予定ですが妥当でしょうか。

いずれの処分も就業規則上に定めてあります。

 

●回答

不始末の程度、内容が分かりませんので、処分の妥当性についてはお答えしかねます

が二重処分を行うことは避けられることをお勧めします。

 

●解説

「一事不再理の原則」という、憲法に定められ裁判でも用いられる考え方があります。

要は、一つの事件に対して複数の処分をしてはいけないというルールです。

 

このルールは、会社で行われる懲戒処分にも適用されていて、過去の裁判においても一事不再理の原則に反しているかどうかをもって、懲戒処分の無効判決が出されたことも度々あります。

 

ご質問にある“不始末”がどういった内容であるかが分かりませんが、それが一つの事案であるならば、処分も一つにしておく必要があります。

 

しかし、その不始末が一連のことであっても複数の事案を同時に発生させている場合は、それぞれについて処分することや、各事案の情状を勘案して重い処分を行うことは、一時不再理の原則には反しないとされています。

 

例えば、業務中に何らかの過失により事故を起こし、その後、問題発覚を恐れて事実の隠ぺいを図ったことが発覚したとします。前半の過失による事故と後半の故意の事実隠ぺいは別の事案と考えられますので、それぞれ別の懲戒処分をすることも可能です。