- 税金
『法人成りの際の注意点』 ~メリットとデメリットは?~
【法人成りとは】
個人事業主が法人(株式会社・合同会社・NPO法人・一般社団法人等)を設立し、事業を法人に引き継がせることです。
【注意点】
・資産と負債
事業に関係する資産と負債も個人から法人に引き継ぐのですが、資産よりも負債の方が多い場合「役員貸付金」という会計上の資産が発生します。
ただし、この役員貸付金は金融機関などから見ると、いわゆる不良債権となりますから「役員貸付金」があると融資を受ける際に不利になります。
例えば個人事業終了時において資産残高より借入金残高が多い場合には「役員貸付金」が発生します。また、医療法人設立時はさらに厳しく、
このような場合には通常は設立が認められません。
・資本金
資本金というのは事業をするための元手のようなもので、法人設立時に個人資金から払い込む必要があります。資本金は払い込んだ時点で法人の
ものになりますので、私用を目的とした引き出しをすることが出来ません。設立後に資本金を法人通帳に入金しない場合は通常は上記の「役員貸
付金」となります。
・社会保険加入義務
法人は社会保険(健康保険&厚生年金保険)に加入する必要があります。個人事業主のときに支払っていた国民健康保険と国民年金よりも負担が
大きくなる可能性が高いです。
・法人住民税均等割
法人の場合は事業が赤字であっても最低7万円/年を納める必要があります。(金額は都道府県や市町村によって変わります。)
・役員報酬
法人成り後は法人から役員報酬を受け取ることになります。役員報酬には下記のルールがあります。
①毎月同額を一年間継続して支給する。
②役員報酬額は会計期間開始の日から3ヶ月以内に決める。
つまり法人設立後3ヶ月以内に向こう一年間の役員報酬を決める必要があり、事業の黒字、赤字にかかわらず決定した金額を毎月支給することに
なります。
・金融機関口座開設
法人での口座開設は個人よりも非常に手間と時間がかかります。そのつもりでご準備ください。