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税金

消費税、免税・課税対象外取引

●質問

消費税のかからない取引について教えて下さい。

 

●回答

消費税のかからない取引には、免税取引・課税対象外取引・非課税取引の3種類があります。

今回は、このうち免税取引と課税対象外取引について説明いたします。

 

●解説

免税取引、課税対象外取引は共に消費税はかかりませんが、内容はかなり異なる仕組みになっています。

以下に、それぞれに分けて説明いたします。

 

免税取引

これは、消費税は実は課税されているのですが、税率を0%で計算するので、税額は0円になるという取引です。

なぜ0%という税率というものがあるかと言いますと、主に海外取引に関する場合に不利にならないようにするためです。

また別に輸出入に関する消費税の取り扱いについては説明しますが、今回は輸出に関するものは、そのようになっていると覚えておいてください。

次のような取引が、免税取引として0%の消費税で計算する、と決められています。

①国内からの輸出として行われる資産の譲渡又は貸付け

②国内と国外との間の通信又は郵便若しくは信書便

③外国貨物の運送や保管など

④非居住者に対する営業権などの譲渡又は貸付け

⑤以下のイ~ハを除く非居住者に対する役務の提供

イ 国内に所在する資産に係る運送又は保管

ロ 国内における飲食又は宿泊

ハ イ又はロに準ずるもので国内において直接便益を享受するもの

⑥その他一定の取引

 

★課税対象外取引

消費税は輸入に関する取引を例外として、事業者が事業として行う取引に関してのみ、課税するというルールがあります。

ですので、以下のような事業として以外の取引には消費税は課税しません。

①贈与や相続など。

②給与やボーナスなど

③宝くじや競馬などの当選金

免税取引と課税対象外取引について説明しましたが、以上のように、その内容は相当違います。

また、別に非課税取引という制度もありますが、それは別項目で説明いたします。


税金

消費税の納税義務

●質問

売上が小さい会社は、消費税が免除されると聞きましたが、本当でしょうか。

 

●回答

<原則として、二期前の売上が1千万円以下は免除>

原則として、二期前の消費税がかかる売上が1千万円以下であれば、消費税は免除されます。

ただし、近年の税制改正で判定が相当難しくなっていますので、注意が必要です。

 

●解説

消費税の納税義務は、基準期間の課税売上高が1千万円以下であれば、原則として免除されます。基準期間とは、1年決算法人の場合、原則として二期前の事業年度をいいます。

 

◆基準期間の課税売上高と消費税の納税義務

ここでいう課税売上高とは、課税取引に係る売上高に、輸出取引などの免税取引の売上高を加算した金額を言います。免税取引も消費税がゼロ円かかる、とされていますので、その売上高も影響することになります。

ところで、近年の税制改正により、基準期間の課税売上高が1千万円以下であっても、それだけでは消費税が免除されることにはならず、前期上半期6月間の課税売上高等についても検討する必要が生じました。具体的には、前期の上半期の課税売上高及び前期の上半期の給与支給額の両方が1千万円超になる場合には、基準期間の課税売上高が1千万円以下でも消費税は免除されないとされています。

 

◆消費税の納税義務判断

(※)国税庁「消費税のあらまし(平成30年6月)」を基に作成


税金

消費税の申告期限

●質問

消費税は消費者は納税せず、代わって事業者が申告納税するということですが、期限や具体的な手続きについて教えてください。

 

●回答

 <決算日から二月以内の申告納税と中間申告>

消費税は、法人の場合、法人税と同様、原則として決算日から二か月以内に申告納税する必要があります。
その他、前期の消費税額に応じて、複数回の中間申告を行う必要があります。

 

●解説

消費税は法人の場合、原則として決算日から二か月以内に、その事業年度の消費税額を税務署に申告納税することとされています。このため、確定申告期限は原則として法人税と同様であり、法人税と消費税を併せて申告納税することが通例です。

ただし、注意しなければならない制度があります。それは、法人税の「確定申告期限の延長特例」と言われる特例です。この特例の適用を受けている場合には、法人税の確定申告期限が一月延長されて三か月以内とされますが、消費税にこのような制度はありません。このため、法人税について「確定申告期限の延長特例」の適用を受けている場合にも、消費税は通常通り、決算日から二か月以内に申告納税を行う必要があります。

その他、消費税は前期の消費税額に応じて、原則として次の区分に応じて中間申告を行う義務があります。

 

◆消費税の中間申告の区分

(※1)前期が一年未満の場合には、一年に換算した金額で判断します。地方消費税を含む金額です。
(※2)所定の届出を行うことで、中間申告ができる、という制度があります。
(※3)最初の一月分は、その事業年度開始日から2月を経過した日から2月以内が期限となります。その他は、中間申告の対象となる課税期間の末日の翌日から2月以内が期限です。
(※4)前期の消費税をベースにする計算に代えて、その中間申告の対象となる課税期間の実績を基に計算する方法も認められています。


税金

消費税がかからない場合とは?

●質問

病院で治療を受けましたが、その際受けた領収書には消費税が書かれていませんでした。治療も役務の提供ですから、消費税の課税対象となる国内取引に該当すると思いますが、問題はないのでしょうか。

 

●回答

<非課税取引と免税取引>

本来は消費税の課税対象となる取引でも、消費税がかからない取引として、非課税取引と免税取引が定められています。

 

●解説

消費税の課税対象となる取引であっても、敢えて消費税をかけないとされている取引があります。非課税取引と言われるものです。

非課税取引とは、社会政策的な配慮などから消費税を課税すべきでないとされたもので、以下のようなものが挙げられます。

 

◆非課税取引の具体例

その一方で、免税取引という、消費税がゼロ円課税される取引があります。具体例としては、以下の(図6)のようなものが挙げられます。

 

(図6)免税取引の具体例

輸出業者の消費税は優遇されている、という話を耳にされた方も多いと思いますが、その話はこの免税取引にあります。免税取引も非課税取引も消費税がかからない、という点は同じですが、免税取引に対しては、原則として前段階の業者に支払った消費税の還付が認められる、というメリットがあります。一方で、非課税取引に対しては、消費税の還付が原則として認められません。

ところで、消費税は皆様が行う取引を、課税対象となる取引のうち非課税取引や免税取引以外のいわゆる「課税取引」、「非課税取引」、「免税取引」、そして課税対象とならない取引に、正確に区分することが重要になります。これらの区分ができなければ計算もできません。


税金

消費税の課税取引とは?

●質問

消費税がかかる取引とかからない取引があると聞きましたが、その区分について教えてください。

 

●回答

<一定の国内取引と輸入取引が対象>

消費税は取引に対して広く課税されますが、すべての取引に課税されるわけではありません。消費税の課税対象となる取引は、一定の国内取引と、輸入取引です。

国内取引については、①国内において、②事業者が、③対価性のある、④資産の譲渡・資産の貸付け・役務の提供を行う場合に消費税が課税されるとされています。

輸入取引については、保税地域から外国貨物を引き取る際、税関に消費税を納税する必要があります。

 

●解説

商品やサービスを購入すると課税される消費税ですが、あらゆる取引に対して消費税が課税されるわけではありません。消費税の課税対象となる取引は、所定の要件を満たす国内取引と、輸入取引です。

消費税の課税対象となる国内取引は、次の4要件を満たす取引をいいます。

 

◆消費税の課税対象となる国内取引の4要件国内において行う取引であること

消費税は日本の税金ですので、外国で行う取引に対しては、(日本の)消費税は課税されません。取引を国内において行ったか否か、という点に関しては、原則として次の場所が国内か否かで判断することになっています。

 

◆国内において行ったか否かの判断

※近年では、インターネットを介した取引が通常のこととなり、世界を相手にした取引が日本に居ながらにしてパソコンで簡単に行うことができます。

このような取引の場合には、それが国内か国外かの判定は大変難しいことになります。

消費税法もこの問題には完全に対応しきれているとは言えません。

今後も取引形態はどんどん変わっていくでしょうから、それにつれて税法にも変更が行われるはずです。

 

②事業者が事業として行う取引であること

サラリーマンが車を下取りに出した場合などには、消費税はかかりません。サラリーマンは事業者ではないからです。事業者が事業として行う取引でなければ、消費税の課税対象にはなりません。

事業者とは、個人事業者と営利法人をいいます。営利法人については、全ての取引が「事業として行う取引」となりますが、個人事業者の場合には、事業者の立場で行う取引が「事業として行う取引」となります。このため、家庭用の掃除機を個人事業者が売却しても、それは事業者の立場で行うものではありませんので、消費税の課税対象にはなりません。

なお、個人事業者の消費税は法人の消費税と多少異なる部分がありますので、今回は法人の消費税を前提に解説しております。

 

③対価性がある取引であること

対価性とは、何らかの見返りがある、ということを意味します。商品を販売すれば、その見返りに代金をもらいますので、この場合には対価性があります。

対価は「お金」とは限りません。本当の「タダ」は対価性なしですが、物々交換や0円でモノを引き渡す代わりに、サービスを0円で受ける、のような場合は対価性ありと判断されます。

一方で、国から補助金をもらう場合には、もらった補助金に対して何か見返りを支払うことはありません。このため、この場合には対価性がありません。

消費税の課税対象となるのは、対価性がある取引に限られますので、補助金や寄附金などは消費税の課税対象にはなりません。

 

◆対価性のない取引の具体例

④資産の譲渡・資産の貸付け・役務の提供であること

資産の譲渡・貸付けとは、資産の売買・貸付や交換などをいい、役務の提供とは、請負などのサービスの提供を意味します。消費税の課税対象となる取引は、これら3つの取引のいずれかに限定されます。

その他、輸入取引についても消費税の課税対象となる、とされていますが、ここでいう輸入取引とは、保税地域から外国貨物を引き取ることをいいます。

輸入する場合、税関に通関手続きを行ってから貨物を引き取りますが、この輸入手続きを行う所定の場所を保税地域といいます。加えて、そこから輸入手続きにより引き取る前の貨物が外国貨物となります。

輸入取引については、通関手続きを行う際、消費税を税関に納税する必要があります。

通常、旅行者がお土産を持ち帰っても、いわゆる保税地域に荷物を預けることはありませんから、税関を通る際に消費税を納付する必要はありません。


税金

消費税のしくみ

●質問

消費税の基本的な仕組みについて教えてください。

 

●回答

<消費税は前段階税額控除方式が採用される間接税です>

消費税は、消費一般に広く課税し、その負担を最終的に消費者に課す間接税です。消費者に最終的に消費税を負担させるために、前段階税額控除方式が採用されています。

 

●解説

消費税は、ほぼすべての取引に対し、8%の税率(国税部分が6.3%、地方税部分が1.7%、2019年9月30日まで)で課税される間接税です。

消費税は消費一般に広く課税し、最終的な負担を消費者に求めるという考え方から、前段階税額控除方式と言われる仕組みが採用されています(図1参照)。

(図1)前段階税額控除方式

(出典)国税庁「消費税のあらまし(平成30年6月)」

(図1)の小売業者を前提に考えていただくと、小売業者は自社の売上に対して8,000円の消費税がかかりますが、その前段階にあたる卸売業者からの仕入に対し、5,600円の消費税を負担しています。そして、小売業者は、この差額である2,400円を国に申告して納税します。

納税した2,400円については、各段階の業者が納税した税額を合計するとわかるとおり、最終的には消費者が負担することになります。

このように、前段階の事業者に支払った消費税を、自社の売上に対する消費税から控除することで、各段階の事業者が納税する消費税の負担が、最終的に消費者に転嫁される仕組みが前段階税額控除方式なのです。

このように、申告に伴う納税は事業者が行い、実質的な税負担は消費者が負うことになるのが消費税というわけです


不動産

私有地への無断立ち入り

●質問

当社は24時間営業です。駐車場には、塀や囲いはありません。

夜中に酔っぱらって敷地内に勝手に入り、言いがかりを言う人がいます。

敷地内に立ち入らないように言う法的な根拠はありますか。

他のお客様もいるので一律「立ち入り禁止」とすることはできません。

 

●回答

所有権に基づき、好ましくない人の立ち入りを拒絶することはできます。

●解説

所有者はその所有物について管理処分権を有していますから、私有地についても、原則的には所有者がその所有権に基づいて誰に立ち入りを許し、誰に許さないかの決定権限を有していると考えられます。所有権というのは、本来、所有者がその所有する物(有体物)を、法令の制限内において自由に使用・収益・処分する権利を意味するからです(民法206条)。

もっとも、所有者は他人との契約によってその所有物の使用を認めたりすることによって(使用貸借・賃貸借など)、また、一定の相隣関係(隣り合わせの土地所有者は相互に土地使用を認めないといけない場合がある)によって所有権行使の制限を受けたりすることはあります。

しかしながら、ご相談の場合は、私有地への立ち入りについて所有者が他人との契約関係に基づいて事前に許容している訳ではなく、顧客、関係者等、所有者が立ち入りを認める者に対して、黙示的に事実上許容しているに過ぎません。

従って、立ち入りを許容するように求める権利は誰にもありません。つまり、貴社は所有者として好ましくない者の立ち入りを拒絶することができるということです。従って、一旦、立ち入った者に対し退去を求めることも所有権に基づき可能ということになります。

但し、塀や囲いが無い以上、一定の好まざる者を事前に排除することは困難と思われます。

そうすると、事後的に退去を求めるしかないということになりますが、建物や囲われたその敷地であれば、侵入者に退去を求めてこれに応じない場合「不退去罪」という犯罪に該当する場合がありますが、塀や囲いの無い土地だとこれに該当させることもできません。

このような点からは、客商売ということもありますし、あまりに強い態度に出ることも好ましくないと思われます。貴社としては、無用なトラブルにならないよう対応には気をつけるべきでしょう。

現実的な方法としては、夜間にはロープを張るなどの方法で侵入トラブルを未然に防ぐなどが良いと思われます。


おたすけ経営ナビ

倒産した企業の関連会社に売掛金を請求できるか

●質問

当社の売上げ先であるA社は収益性の高い不動産を所有しています。

新設分割したB社にその不動産を承継させ、A社は倒産しました。

計画的だと思うのですが、当社はB社に売掛金を払ってもらうことはできませんか。

 

●回答

「法人格否認の法理」によりB社に対し請求できる可能性はあります。

●解説

相談文の事実だけでは判断しかねますが、会社分割に、債務を免脱する目的があるような場合は、「法人格否認の法理」によりB社に対し請求できる可能性はあります。

原則として、別会社であればいくら関連会社であっても他の会社の責任を負うことは無いのですが、別会社であることが形骸化している場合(形骸化事例)や別会社であることを悪用しているような場合(濫用事例)には別会社であっても他の会社の責任を負わされることがあります。

債務免脱目的で、資産や人的関係だけを別会社に移転して別会社で従来と同じ商売を続けるような場合は法人格否認法理の「濫用事例」に該当する可能性があります。

仮に、法人格否認では無理でも、少なくとも、不動産譲渡の対価の授受が無ければ、民法の詐害行為取消権に基づいてB社に対する不動産譲渡を取り消して、A社に戻させることは可能でしょう。

法人格否認法理の濫用事例に該当するか否かという点で考慮すべき事実関係としては、以下のような諸点があります。

①不動産譲渡対価の授受の有無、②B社設立の時期、③B社の役員関係、④従業員の引き継ぎの有無、⑤両社の営業内容の関連性、⑥本店・営業所等の位置関係等。

一般に法人格否認の法理が認められることは稀ですが、絶無ではありません。

最近、大阪地裁で法人格否認法理(濫用事例)で別会社に対し完全勝訴判決が出ています。貴社としては取り得る二つのルートがあります。

①詐害行為取消権を行使してA社に不動産を戻させてA社を相手取って訴訟する(この場合、A社の他の債権者と資産の取り合いになる可能性有り。しかし、法人格否認に比べると勝訴はしやすい)。

②法人格否認の法理を根拠にB社を相手取って訴訟する(勝訴はかなり困難。しかし勝てば早い者勝ちで回収可能)。

いずれにしても困難な事案であることは間違いなく、一長一短あります。できるだけ早期に弁護士に具体的にご相談されることをお勧めします。


おたすけ経営ナビ

犯罪による被害金額の確定

●質問

従業員が、1年前に商品を勝手に売り横領していたことが発覚しました。

当時10万円程度でしたが、現在は値上がりして50万円はする商品です。

従業員に50万円賠償させたいのですが可能でしょうか。

 

●回答

原則的には横領行為時の時価である10万円ということになりますが、値上がりが予想できた場合は現在までの最高値(中間最高価格)で賠償請求できます。

●解説

古くから判例があります。

大審院判例(大正15年5月22日・富貴丸事件)では、不法行為時(物の滅失時)の交換価値を原則としつつも、騰貴価格で転売などの処分をするか、その他の方法でこの価格に相当する利益を確実に取得できたという特別な事情があり、かつその事情について予見可能性があった場合には、騰貴価格による損害賠償請求ができるとしています。

更に、最高裁判例では、価格が上昇中の場合、価格上昇について予見可能性があれば、処分が予想されたか否かに関係なく騰貴価格で賠償請求できるとしています。

(最高裁判決昭和37年11月16日、同47年4月20日)。

価格上昇が予見できたか否か(予見可能性)は、当該目的物の性質、取引市場の有無、行為時の市場動向、不法行為者の地位・経験等、色々な諸事実を総合的に判断することになると思われます。

 


おたすけ経営ナビ

瑕疵担保責任の法定期間の延長・短縮

●質問

電気設備を設置する工事を発注しました。請負契約書には「瑕疵担保責任の期間は「引渡の日から2年間」となっています。

当社としては、長くしたいのですが瑕疵担保責任の期間は法律で決まっているのでしょうか。

 

●回答

解説をご確認ください。

●解説

1 民法に規定があります。請負契約の担保責任期間は、原則として引渡しから、引渡不要の工事であれば完了から1年です。

(なお、新築住宅の場合は特別法の規定があります)

しかし目的物が、土地の工作物(典型的には建物)に関する請負の場合は原則5年

(石造、土造、煉瓦造、金属造の場合は10年)となります(以上、民法637~638)。

 

2 これらの期間は特約で短縮したり延長したりすることができます(同639。条文上は延長しか規定されていませんが、解釈上、短縮も可能と解されています)。実際上、建設業者の約款では短縮されています。

 

ご相談の件の場合、法律の規定が特約により修正されて2年(電気設備が土地の工作物に該当する場合であれば短縮されて2年、それに該当しない場合は延長されて2年)ということになります。